法の支配の現代的意義

弁護士 但木 敬一

中世イギリスにおいては、判例の集積が、高位法つまり憲法を具現化するとされた。

裁判とは、具体的事件を通じてこの「法」を探す作業であると考えられたのである。

13世紀、イギリス国王がマグナカルタに署名し、君主といえども法の下にあるという「法の支配」の考え方が姿を現した。

「法の支配」は英米法にとどまらず、世界的な自由と人権の時代を招いた立役者である。

日本国憲法においても随所に「法の支配」の原理が取り入れられている。

今日、社会的弱者を救済するために「法の支配」ではなく行政優位とすべき時代と言う向きがあるが、

そうではなく、企業内ガバナンスや家庭内虐待防止にまで法律の関与を拡げる新たな「法の支配」を受け入れなければならない。