「国際社会と法の支配」へのコメント
ガバナンス研究所 金 虎山
本誌Vol.3で、ポール・スミス氏は、国際社会を民主主義社会に擬え、それぞれの独立国を民主主義社会の市民に擬えた。
その上で、世界の殆どの国が加盟する条約を共通法、すなわちコモンローと見做し、コモンローの積み上げによって
国際社会が遭遇する問題を解決する方向が見えてくるとする。
具体的な提案として、各国のガバナンスを狂わせないように「シビリアンコントロールを義務づける」条約、
および全ての核保有国に「非核保有国に向けた核の先制攻撃に対する報復を義務付ける」条約の二つを挙げた。
いずれも説得力のある提案と言える。しかし、それにも拘わらずポール・スミス氏が描く国際社会に、
いま一つ現実の匂いが希薄なのは何故なのであろうか。
それは、独立国というものを恰も自明の存在であるかのように取り扱っているからではないか。
この小論では、東アジアにおいて独立国とはどの程度のものであるかを示す。


